
前回このブログ初めての記事「ガラスを守る! 暑い夏に窓ガラスが割れる理由とは?」の最後・・・。

警察のお友達からの情報デス。
「鉄線入りガラスは防犯ガラスじゃない」。
割れてもガラスが飛散し難くする為の鉄線だよ。
だから見た目と違い、防御力は低いそうです。
の言葉が気になり、「鉄線入りガラス」について調べてみました。
頑丈そうな鉄の線が入っているから強度激増し!って思っていましたが、調べると意外な事が分かりましたので記事にしてみました。
鉄線入りガラスってなんぞや?
鉄線入りガラスは、通常のガラスの中に金属製のワイヤー(鉄線)が埋め込まれた構造を持ちます。
ガラスの中に金網が入っていると言えばイメージしやすいですか?
この鉄線のおかげで「防火効果」が期待でき、熱や衝撃で割れてもバラバラに飛び散りにくい「飛散防止効果」があります。
この鉄線入りガラスは、ワイヤー入りガラス、金網入りガラス、線入りガラス、防火設備用ガラスなどと呼ばれています。
そして比較的安価であるため、官公庁施設をはじめとして 広く多く普及しているそうです。
実は鉄線入りガラスって・・・
普通のガラスと鉄線入りガラスって何が違うの?
以下はそのまとめです。
- 実は意外と弱い
- 実は防火用のガラス
- 実は熱割れします
- 実は錆でも割れます
少し詳しく解説します。
1.実は意外と弱い
一見頑丈そうな鉄の線が入っていて、さぞ強いのだろうっていう見た目ですが、実は普通のガラスを同じ強度だのだとか。
鉄の線がガラスの中に埋め込まれているので、外からの衝撃を最初に受けるのはガラス面です。
つまり鉄線入りガラスの強度は「ガラス自体の強度に依存する」という事です。
2.実は防火用のガラス
じゃあ、なんでそんがガラスを使うの?って疑問に思いますよね?
実は鉄線入りガラスの目的は防火用なんです。
建物で火事が発生すると、室内は物が燃えて空気が高温になりますが室外は低いまま。
この状態が続くとますます温度差が大きくなり、室内の空気は風船のように膨張(膨らんで大きく)し、室外はそのままなので膨張しません。
限界が来ると室内の空気は風船が破裂するように弾け、ガラスは内側からの力で粉々に砕け散り・吹っ飛び、外に飛び出した炎は新鮮な空気により延焼していきます。
こんなとき鉄線のガラスであれば、鉄線がネット(網)のような役目を果たしてガラスの飛び散らず(ケガ防止)、炎が外に飛び出す事を防いで延焼を抑制する(防火)効果が期待できます。

だから学校やガソリンスタンド、隣と距離が近いビルやマンション等に使用されているんだヨ。
建築基準法の「防火地域」「準防火地域」は鉄線入りガラスを必ず付けなればならない。
自己判断で通常のガラスを利用してしまうと違反となりマス。
3.実は熱割れします
ガラスは日光が直射する部分と、サッシに覆われて直射されていない部分に分けられます。
直射日光に晒される部分は放射熱を吸収し、その熱によってガラスは膨張します。
逆にサッシに覆われた部分は放射熱を吸収しないため、ほとんど膨張はしません。
この膨張差によってガラス内部に歪みの差が大きくなると、勝手に割れてしまう場合があります。
この状態は、「カーテンやブラインドが室内側のガラスと密着している」状態も同じです。
家具や本棚でカーテンを押してガラスに直接当たっていませんか?
窓に近すぎるストーブも局部的に網入りガラスが加熱される状況になるとヒビ割れが発生しやすくなるそうです。
4.実は錆でも割れます
意外と錆でも割れる原因となります。
学校などでガラス中の鉄線が錆びている所を見た事がないですか?
あれはガラスの周りを埋めているパッキン(コーキング)の経年劣化により、ヒビ割れが生じ、雨水が入って錆が侵食していきます。
錆は鉄線を膨張し、結果ガラスの内側から力が加わって割れるという寸法です。
まとめ
以上が鉄線入りガラスを簡単に解説してみました。
その見た目と違い、防犯上の強度がほとんど無い事に驚きました。
その反面、火災の観点から言うと非常に有効な素材です。
その特性を理解し、適切な場所で使用することで、より安全で快適な環境を作ることができます。

なんか鉄線入りガラスを見る目が変わりました。
そういえば・・・学校や病院の窓にあったなぁって思い出しました。